GJ部を見ました。
みなさんお元気ですか?井上陽水です。春から地方住みになるからイベント参加できないな~とか考えていたら何もかも消滅したのでブログの更新が止まりました。外出記録なのに外出できないので。一生日の目を見ない下書き記事があります。かなしいね。それはともかくあまりにも暇なので、見よう見ようと思って見ていなかったアニメを見ました。
#クラス内ヒエラルキーそう誰が決めたわけでもなくいつの間にか作り上げられる1軍2軍3軍全てにおいて中の下から中の上妄想社会で毎日ワーキャー1軍になりたいわけでもないそんな私たちは2軍のファンタジスタであーる
GJ部というのは一言にすればラノベ原作高校生部活日常系です。アニメ製作は動画工房です。2013年1月クールのアニメをどうして2020年のGWに見るんですかね。日常が恋しいんでしょうかね。
7年もあったならどこかで見てそうなものですが、どうして今まで見ていなかったのでしょうか。調べてみました。
GJ部見ると明日の模試に障りそうなのでひだまり
— じかん (@zikan_radio) 2014年5月5日
GJ部見てみたいって割と思ってるんだけど機会がない
— じかん (@zikan_radio) 2017年6月24日
おいバカ見ろバカだからお前の人生はこんなんなってんだぞバカ!!!!!!!
ううう……。
理由はよくわかりませんでしたが、見ていないということがわかりました。いかがでしたか?
閑話休題。
GJ部は前述の通り日常系作品です。日常系作品の多くが、色のない生活にとって一服の清涼剤であったり、生命維持装置であったりすると思います。しかし私は、GJ部にそのような要素を感じつつも、中毒性を何より感じました。
ちなみに、「GJ部 中毒」でググると2,580,000件ヒットします。これは、どれほどの人間がGJ部の中毒症状を発症しているかということを如実に表しています。
最近はアニメを見ていても気が散ったり疲れたりとどうしようもない私ですが、GJ部は5話まで一気に見ることができました。革命(はもう始まってる じゃじゃじゃじゃーん!)です。これも中毒性の効果の一端と捉えられるでしょう。ではどういった要素によって中毒性を持つのでしょうか。
まず第一に、ラノベ原作にありがちなむず痒さをあまり感じない点があると思います。
ラノベ原作は俺ツエーであったり、中二臭かったりと、共感性羞恥を持つ生き物にはハードルが高いものです(もちろん、そうでない作品もあります)。そして、アグレッシブに活動していたり、何かを成し遂げていたりします(もちろん、そうでない作品もあります)。しかし、GJ部は違うのです。
みなさん、学生時代の部活の思い出はどんなものがあるでしょうか。もちろん、大会に出たとか、試合に勝ったとか、がんばった記憶が強くある人も多いと思います。でもそんな部活の本線の記憶よりも、グラウンドをランニングしながらだべったことや、更衣室にPSP持ち込んでみんなでモンハンしたこと、大会で男子と女子のホテルが違って女子が来るのがめちゃめちゃ遅くて険悪になったこと、自分の学校の陣地であるテントが風で吹き飛ばされてみんなで拾いに行ったことといった、部活においては支線の記憶が強くあるという人も多いのではないでしょうか。部活は違えど、部室や更衣室でダベった記憶は共通しています。そういった記憶とGJ部の活動は、類似しているのです。そしてこの作中でのテンションは、部活中のティーンにしか出せないものだと感じます。
GJ部の活動は、部室でのおしゃべりとそこに付随する行動がメインで、部活らしい対外的な行動は描かれません。部室外が描かれているシーンも少ないです。つまり、描かれるGJ部は私の部活動の記憶の延長線上に存在し得るのです。
第二に、萌えの供給が適切という点があると思います。
日常系アニメと聞いて、みなさんが思い出す作品はどのような作品でしょうか。萌え萌え女の子がいっぱい出てきて、特にイベントがあるわけではないものの、日常生活を送るといった作品を思い出す方が多いのではないでしょうか。こういった作品ももちろん魅力的です。でも、萌えの供給が過剰ではありませんか?
過剰というと言い方が悪いですが、みなさんは萌え萌えでしたか?みなさんの日常は萌え萌えでしたか?ということなのです。萌えの供給が過剰なのも、好みに合えばいいことです。私も好きです。しかし、そこに私は存在し得ないのです。萌えの供給が適切だからこそ、私のGJ部になるのです。
第三に、キャラデザや作画、CVのフィット感という点があると思います。
デフォルメ絵の使い方がうまいアニメは偉いです。これは私がひだまりスケッチが好きで、そこにはへちょ絵存在するというバックグラウンドがあると思いますが。しかしそれは抜きにしても、デフォルメ絵をうまく使うことで、画面にメリハリが出ると感じます。デフォルメ絵じゃなくても、キャラクターを描く輪郭線が太く、それがキャラクターのシルエットを印象的に見せていると感じます。また、CVは全体的にとてもフィットしていると思うのですが、特に部長の内田真礼は本当に適切すぎませんか?
関連して、ちょっとしたシーンやセリフがうまく回収されているという点もあります。日常系作品に伏線は本来必要ないものです。事件が起きないのが日常系なのですから。でも、そういったものがうまく回収されることで、視聴者は前回のそのシーンやセリフが使われた地点に引き戻され、時の経過を感じるのです。気づいたら終わってしまうティーンという瞬間を、私のティーンという瞬間を、そこに感じるのです。
また、作品としてのテンポの良さも加点要素だと思います。
4コマ小説というキャッチフレーズの通り、ショートアニメの連弾のような印象で気軽に見ることができます。じゃあ4コマ漫画あるいは4コマ漫画を原作としたアニメもそうじゃないかという話になりますが、4コマ漫画は1本の4コマで完結せず、4コマが何本か集まって1話を構成しているという点で違いがあると思います。これが、本作特有のテンポのよさ、リズム感を作り出し、一瞬で見終わってしまうという感覚を醸成するのに一役買っていると思います。
そして、2軍のファンタジスタであるという点です。
学生時代を描く作品にはどんなものがあるでしょうか。いろいろな作品がありますが、そこで描かれる学生生活はどのようなものでしょうか。生徒会?文化祭のメインステージに立つ?そんな人たちは1軍です。私の学生時代の記憶は、クラスでそんなに目立つわけではないものの友達がいないわけではなく、部活もそこそこやって……という感じです。そんな感じの学生生活を送った人の方が多いのではないでしょうか。これこそがクラスの2軍なのです。
クラスの2軍であるということを明言した作品がどれほどあるでしょうか。クラスの2軍を描いてくれるからこそ、私は私の青春をGJ部員として体験するのです。
実際の学生生活には、ちっちゃい部長にかまれたり天才な先輩に自販機の使い方を教えたりマンガ肉をもらったり紅茶を無限に飲んだり部室の前を通る人を強襲したりといったことはありません。しかし、前述した要素によってGJ部は青春を描いたのです。私の青春を描いたのです。よって、中毒性を持ち、熱狂的なフォロワーを擁しているものと考えられます。
それでは、原作の注文をした後、返却期限までもう一周視聴をします。失礼します。
新品の廉価版BD、売ってないね……。